オイラの上司にKさんって人がおります。
このオッサン53才なんですが、何でそんなにオモロイの?ってぐらいオモロイ!!
今まで会った人間の中で一番オモロイって言っても間違いないかと思います。
まず、53才やのに趣味は縦笛ですよ、縦笛!
それもあの小学生が吹いてるソプラノリコーダーってやつですわ。
それも30年以上やってるからメチャメチャ上手い。
それを夜、暇な時に練習してるんだそうです、53のオッサンが。
訳分かりません。
このKさんの考えた『オノヨーコ作戦』の話。
Kさんは絵葉書を集めていて、300枚以上持ってるそうです。
それに
『こんにちは、はじめまして。
日本は寒くなってきました。
そちらはどうですか。
僕は今日からコートを着だしました』
なんてどうでもいい日常の事を書いて、いきなりオノヨーコに送りつける。
それを1日1枚づつ、毎日毎日送り続けます。
そうすると、当然さすがにオノヨーコからは返事は来ませんが、
ちょっと楽しみになって、
100日ぐらい続けたら向こうも心の片隅で葉書を待つようになります。
それからまた100日ぐらい続けて、ある日急にやめます。
ほんだら、オノヨーコとしては最初は
『ああ、けえへんようなったな』
ぐらいしか考えへんのに、200日も続いてたものが急になくなると
2、3日するうちに心配になります。
(僕が言ってるんちゃいますよ、53才のKさんが言ってるんですよ)
そして2週間ぐらいしたら、
『ご無沙汰してます。
長くお手紙できないでごめんなさい。ご心配おかけしました。
じつは急に盲腸になって入院していました。
でももう元気になったので、またお便りします』
なんて感じで再開します。
それでまた100日間送り続けます。
そして最後の1枚になった時、
前半は普段同様、どうでもいい話を書き
最後の最後に
『・・・・・・といった感じです。
ところで1億円ください。
僕の口座は○○銀行○○支店 口座番号○○○○○です。
よろしくお願いします』
という感じで締めくくる。
ほんだら、100%オノヨーコは1億円振り込んでくるそうです。
Kさんの言うこの作戦のポイントは
・300日も続けて日常を報告されると多少なりとも情が移る。
・一回やめて揺さぶりをかける。
・オノヨーコは金持ちやから、オノヨーコにとっての1億円は俺らにとっての2千円ぐらい。
・普通の絵葉書やったらあかんけど、自分の絵葉書コレクションに自信がある。
・金持ちやったら誰でもいいわけじゃなく、アーティストを狙う。
(元々は『フリオ・イグレシアス作戦』やったんやけど、スペイン語が分からんので
オノヨーコの変えたそうです。
何でフリオ・イグレシアスやねんって聞いたら
Kさん曰く、フリオ・イグレシアスとは感性が一致するとのこと)
だそうです。
すごくないですか?
この話のすごいトコは、53才のオッサンが言ってるってとこです。
自分が50才を越えるころ、こんな素敵な事を考え付きますか?
ああなりたいなって思わせるような、すごい素敵な大人に久しぶりに会いました。
追伸
当たり前といえば当たり前ですが、Kさん仕事はメッチャできません。
でもみんなに愛されてるから、大丈夫。